幼少期に掲げた、日本人がまだ誰もし遂げたことのないワールドカップチャンピオンという夢は目標に変わり、近いようで遠いものとなりました。誰も見たことのない頂点には僕がこれまで人生を賭けてきた特別なものがあります。
これまで、何度も屈辱を味わい、そのたびに這い上がってきました。その強い意志は誰にも負けない自信があり、誰よりもスキーのことを考えてきました。地元でワールドカップデビューを果たすも、その直後に日本代表から落選。その後ヨーロッパに渡り、2年間はヨーロッパカップの出場権利すら与えられず、苦しい中なんとかチャンスを掴み、ワールドカップの舞台に戻ってきました。しかし、そこでもまた前十字靭帯断裂という怪我を負い、振り出しに戻りました。壁が立ちはだかる度にレーサーとして人として強くなり、よりスキーが好きになり、レースにかける思いは増していくばかりです。